久々の旅カテゴリですが、日帰り・近場でも良いではないですか。
人間毎日が旅でございます。
なんて書いてしまうと、ひどくおセンチで、「何を青臭いことを・・・」なんて、失笑を買うかもしれぬ・・・、とちょっと恥ずかしかったりするのですが、ま、ホントの事というのは中々口に出すのに勇気のいるものかもしれないと思ってみたり。
ひとところに居たままで行われる、思考の深まりや彷徨いなども、「旅」の一つの形であろうと、都合よく「旅」という文字にそのような、精神の働きの方面からの由来が無いかと思い調べてみましたが、×ハズレ。
「旗を掲げて、多くの人が他に出向する意。それで軍行の集団の意となり、旅行の意となる」白川静『字統』
・・・まぁ、いいや。
先日訪れたのは有馬富士公園。
広大な敷地を誇る、割と新し目(?)の自然公園です。
手入れがよく行き届いており、その分人工的な香りもいたしますが、共生は人類の重要なテーマでありますから、それはそれでよろしいかと。
駐車場は無料だし、全く満車になる気配も無いくらい広大なスペース。
私学生の時に北山植物園(正確には北山緑化植物園・・・名前変わったのかな?)という、自然公園をこよなく愛しておったのですが、そこも裏手の甲山界隈の自然と人工的な設備が絶妙にマッチしていて、昼に夜に徘徊したものでした。
因みに10年近く前のことなので、今はどういう感じか分かりません。
ま、丁度この北山植物園を何倍もにしたような、そういった懐かしさも感じたのであります。
ていうか、入り口近くのパーク・センターの多目的ホールで演奏した事がありました。
ホールしか入らなかったので、後ろに控える公園には全く気づきませんでした。
アホですね・・・。
この日は快晴とはいかないまでも、中々のお天気。
最近歩くのが苦ではない私の歩も快調であります。
テープでも聴いているかのように、本当にあちらこちらから「ホケキョ・・・」の声。
不意に、カサっ、と草木が擦れる音。
そちらへ目をやりますと、体長80センチほどの小ぶりな蛇。
動物園以外で蛇を見たのは何年振りでしょうか。
「お~い!、蛇」
家人に向かって、自然に声が出ます。
よく見ると、口から何かが覗いております。
蛙。
蛙を捕食している、まさにその瞬間であります。
見つけた時には蛙の前足が見えていましたが、みるみる体は吸い込まれながら、同時に蛇は藪の奥の方へ向かいます。
最後に確認できたのは、もう顔の部分以外は飲み込まれてしまっている状態。
何を暴れる事も無く、至極自然な面持ちのまま呑み込まれていく蛙の顔。
自然の厳しさとか諦念とかを超えた蛙の潔さ・・・、とか何かそんな事じゃなくて、何かが私の心の奥底をつついているのですが、文章に表す能力が、私には完全に欠如しているようであります。