楽器を始めるに当たって一番大変だったのは、左手が思うように動かない事でした。
力も入らないし、左手がとっても頼りない、という感覚が人一倍強かったのです。
頼りなさの度合いについては、人と比べるすべも無いのに、「人一倍」とは、なんとも変な表現ですが、まぁ、そう思っていたと。
で、それを克服する為に考えた方法は、ごく単純ですが、
左手を使う
ってことでした。
それまで右手ですることしか考えられなかった、毎日行なう作業を左手でやってみると。
試したのは、文字を書く、箸を持つ、米を研ぐ、歯磨きをする、など等ですが、文字を書くという行為は学生を終了しますと格段に減るのでして、毎日行なう作業ではなくなってしまったので、ボツになりました。
箸を持つ、これは、がつがつ食べないと食った気がしない私としましては、フラストレーションが溜まるので、ごく気が向いたときにだけ行なうだけであり、習慣化しませんでした。
というわけで、現在も習慣として残っているのは、米研ぎと歯磨き。
米研ぎは毎日するわけではないですが、するときには左手でというのが普通の事となっています。
歯磨きは習慣的に左手で行ないます。
両方とも、最初はなかなかスムーズに動作できなかったものですが、今では何の問題もありません。
で、結局、左手は右手と同等の器用さを得たのか、といいますと、そうはいきませんで、
左手で米研ぎ(歯磨き)をするのがうまくなった。
それだけのことであります。
あくまでも右利きですから。
しかし、今現在の身体感覚としては、昔感じていたような、左手の頼りなさは大幅に軽減されております。
これが、強化計画のせいなのか、楽器のおかげなのか、今となってはよく分かりませぬ。