以前、というかこの夏、セッティングが肥大化している旨のエントリをしました。
このときの画像で使われている楽器群は時に同時に、時に別個に鳴らされたわけですが、同時多発音を増やしたい時期でした。
で、その後揺り返しがきまして、今は極小への道を歩んでおります。
もちろん、編成、ジャンルによって、そのチョイスは変わってくるのですが、僕の場合、楽器を単体で持っていくのは、サルサにおけるボンゴ、それから、フラメンコにおけるカホン、この二つに集約されます。
ところで、サルサにおいては、ティンバレス、コンガ、それからボンゴと、打楽器奏者が3人というのが基本なわけで、編成の中に打楽器一人、かつ、ひとつの楽器だけを持っていく・・・というのはフラメンコ以外ではまずないと。
さて、ここで問題は、「フラメンコはカホンがなくても成立する」ということ。
というのも、パコ・デ・ルシアがカホンを導入するまでは、無しでやっていたわけで・・・。
ところで、古今東西、太鼓が介在しない芸能というのは、珍しいのではないかと思うのですが、フラメンコの場合、そういった役割にパルマ、つまり手拍子があります。
これが、非常に破壊力があり、(それだからこそ)難しい。
パルマ打つのはものすごく神経を使います。
打楽器がなかったからパルマが発達したのか、パルマがあったから打楽器が要らなかったのか、そこのところ不勉強でよく分かりませんが、ところ変わって、アフリカからラテンアメリカに連れてこられた黒人奴隷は、時の支配者に故郷の太鼓(それから宗教)禁じられた例があったりとか、支配者にとって被支配者の精神の高揚は危険なものと看做されることもままあるわけで、ヒターノにおいてはどうだったのか・・・、なんてことも気になるのですが、これは、フラメンコの外側を回遊している私の妄想の域を出るものではありません。
ただ、妄想ついでに言うならば、巫者の傍らには太鼓で盛り立てる人間がいても良いのじゃないか、という気がしていて・・・、それでカホンを叩くと。
そしてそして、フラメンコにおいてごく稀なことではないかと思われるのですが、ツイン・カホンではなく、ツイン・パーカッションでの舞台があります。
我が師・中村岳と、昨年に引き続き高知にてフラメンコの舞台に出演するのです。
得物は、各々カホンと皮もの、小物等を持ち寄り、フラメンコのパーカッションとしては、タイトルとは大きく相反して(ブログもライブっすから)極小ならぬ極大への道ではありますが、「巫者と太鼓」という観点から言いますと、地の精霊もきっと目を覚ましてくれてんではなかろうか、と思うのであります。
と、論点も語り口も一打楽器奏者のうわ言のようになってしまいましたが、唄に踊り、ギターにバイオリン、それから師匠と、私以外はフラメンコで沢山の経験をつんでこられた方ばかりでして、身の引き締まる思いがいたします。
柳光みゆき舞踊団
@高知 新阪急ホテル
バイレ)柳光みゆき、佐波由紀子、大谷優子、徳永茉己、ほか
カンテ)獄北慎二
ギター)宇根理浩、 廣川叔哉
バイオリン)三木重人
パーカッション)中村岳、木村和人
ディナー 18:30~19:20(受付18:00~)
ショー 19:40~21:00
お1人様 ¥11,000
たまたまこのブログを発見した、今現在高知界隈に住んでるという既知の友人は必ず観にくるように。