何気なしにテレビを見ていると、桑田真澄 投手が大リーグに挑戦している模様が。
私、野球には殆ど関心はないのですが、今年39歳にして、アスリートとしての限界に挑戦している桑田投手に胸を打たれたのであります。
私などは、ブラウン管から垣間見る姿にしか、野球選手についての印象を持つ機会がないのですが、例えば、クールというよりも、ぶっきらぼうで生意気な言動の多いイチロー選手を、「いけ好かないヤツ」と思っていたのに、彼がWBCで見せた熱き心を見て、今や非常に好感を持っているのと同様、桑田選手にもエールを送りたい、そんな、好印象を覚えたのであります。
しかしこの桑田投手、私の記憶が正しければ、ダーティーなイメージを与えられていた時期が有ったのではなかったか?
そう思い、ググって見たところ、確かに、巨人軍入団についてのドラフトでひと悶着あったようです。
そのまま、経歴を見ていったところ、興味深い項目を発見しました。
その投球には、古武術を取り入れているとのこと。
いわく、「ねじらない・ためない・うねらない」。
一見すると、体の動きを一連の流れとして合理的に、つまり、最小限の力で最大の力を発揮する、と読む事ができますが、実は少々違うようです。
以下asahi.com より引用
~ ふつうは、かがんでボールを捕る、姿勢を立て直す、足を踏ん張り、体をうねらせて投げる、という一連の動作をする。ドミノ倒しのように、時系列的にエネルギーを伝えるのだ。
ところが、桑田はその一連の動作を同時並行的にこなし、ボールを捕った瞬間に1塁に送球して刺した。~
引用ここまで(下線は木村による)。
これは、「体を使う」という概念自体が現在の常識とは違うようで、「脳が命令>体に伝達>行為遂行」というようなものではなく、イメージが即実態であるような、そんな神秘的なにおいがプンプンして、好奇心を大いに刺激させられました。
プロ・スポーツの世界は、能力のピークが年齢的に早い段階でおとづれるのが常識とされています。
そんな中、桑田選手の試みにエールを送りつつ、同じ体を使うものとして、また、一生求道の分野に取り組むものとして、大いに参考にしたい、そう思ったものであります。
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